野生動物管理全国協議会について

野生動物管理全国協議会は、生息数が急増し、捕獲が重要な施策となっている野生動物について、その適正な保護管理を推進するための社会基盤の構築、および各省庁・都道府県・市町村等の施策を効果的に実施するための学術的な調査研究を基礎とした政策提言と事業支援を行うことを目的として設立しました。

名称 野生動物管理全国協議会
(Japan Wildlife Management Association)
所在地 〒675-1217 兵庫県加古川市上荘町薬栗27-1
株式会社一成 環境事業部内
会員数(平成26年10月1日現在) 30名(正会員29名、賛助会員1名)

設立趣意書

いま,全国的に野生動物による農林業被害や生物多様性への悪影響が深刻化し,現場の関係者や諸機関は日夜その対応に追われています。しかし我が国では,野生動物管理に関する基本的な制度や体制等が完備しておらず,地域社会においては場当たり的・近視眼的な対応から脱却できないことが少なくありません。また、野生動物対策にかかる公共事業は年々増大し,新たなビジネスチャンスを生みだしましたが,科学的な説明や効果検証を欠く手法や製品,研修,事業計画等が散見されるなど、新たな課題も生み出されています。

私たちは,野生動物管理に関わる上記の現状に危機感を持ち,現場密着型の活動や研究,情報発信を続けてきました。その成果は,「前例のない高効率捕獲を達成した従事体制」や「捕獲個体の肉の衛生管理を飛躍的に促進した認証制度」などの実現・提示として実を結んでいます。しかし野生動物に起因する諸問題の拡大と多様化は止まる所を知らず,個別の対応では成果の周知や実質化等に著しい限界があることも明らかになってきました。

そこで私たちは,とくに問題が山積している「捕獲」ならびに「捕獲個体の資源化」を中心に,研究者や企業・団体、および個人がこれまで個々に取り組んできた諸活動を有機的に連携させ、国との意見交換を通じて今後の野生動物管理にかかる政策に反映することを目的として本協議会を設立いたしました。

言うまでもなく,野生動物管理の第一義は,生物多様性の保全と農林業被害の軽減等を通じて社会に貢献することです。私たちは,この根本原則を踏まえ,国全体ならびに地域の諸事情に合致する体制や手法の実践的提示を進めるとともに,適切な普及啓発と人材育成事業をも推進し,我が国の野生動物管理の発展のために尽力したいと考えています。